ノーラン役・ウエンティーノ三世:上野
ニック役・青井大地:青井(赤井)
マック役・淺津伊吹:淺津
ソフィー役・やっくる:高谷
クワニャウマ役・じっきー:直本
――それでは座談会を始めます、よろしくお願いします。
一同
よろしくお願いしま~す。
――初めに、役名と役柄の紹介をお願いします。
上野
どうもウエンティーノ3世です。保安官のノーランという役をやっています。目指すはCV大塚明夫!よろしくお願いしまーす。
淺津
芸名は淺津伊吹で、今回はマックというインディアンの弟役をやってます。最近インディアンの音楽を聴くようになりました(笑)
青井
青井大地です。ニックというインディアンの役をやります。多分人生で最後の舞台なので、とにかく目立って輝きたいなと思います。
高谷
ノーランの部下であるソフィ役をやらせてもらってます、やっくるです。バカです(役が)。がんばりまーす。
直本
ニック、マックの妹のインディアンのクワニャウマをやらせてもらってますじっきーです。パンが美味しいです(笑)
――では早速…ジゲキで一番楽しかった公演はなんでしたか?
淺津
うーん、やっぱり『荒野に眠れ』かな(笑)
一同
(笑)
淺津
シンプルに楽しかったのは『夕』(2013年度 卒業公演)かな。
初めて美術のスタッフをやらせてもらった公演なんだけど、まずメンバーがめっちゃ良かったし、人数も多かったし、自分が4年間やってきた中で一番良かった舞台美術だと思うから。メンバーそれぞれが自発的にアイディアを出して動けてたなと思う。
上野
俺は『ナミヤ』(2014年度 新人公演『ナミヤ雑貨店の奇跡』)かな。制作を初めてやって、イブ(淺津)がチーフやったんやけど。特設を初めてやって、自分なりに考えて、やっぱ新人公演は新入生をピックアップすべきやって辿り着いて、新入生一人一人にインタビューしてクッソ長いインタビューを頑張って書いてた。やっぱりメンバーも良かったし、何よりいぶが初チーフでめちゃくちゃ頑張ってくれてる、かつ、めちゃくちゃ気を遣ってくれたのが嬉しかった。
淺津
あの時は制作史上一番機動力があったよな。俺とうえんつとどたちん(卒業生)が原チャ持ってたし。六甲周りも3日くらいで終わらしてたもん。
上野
そうそう。しかも俺はそのうち2日は特設してたから自分の分は1日で終わらした覚えがある。
あと、椅子か何かを雨の中運んでる時、イブが三人分の傘を持ってきてくれて。「ああもう好きー」ってなったのを覚えてる(笑)最後には、演出やったるみ(卒業生/なりえるみ)が制作良かったって言ってくれてほんまに嬉しかった。
青井
一番学べることが多かったのは、やっぱり役者をやった『ホワプラ』かな。自分一人の力じゃダメだ、皆で協力しなきゃダメだって学んだ。自分一人で抱え込んじゃうっていう自分のダメなとこも分かったし、ジゲキから学べることは多いんやって初めて気づいた。打ち上げで演出の一平さん(自由劇場OB 2012年度生)に、自分の役を「お前に任せて良かった」って言われたことは今でも印象に残ってる。
本番数日前に役者と演出で揉めたんだけど、よしあきさん(自由劇場OB 2012年度生)が「こうやって内部でぶつかり合ってるけど、結局その公演を評価するのはお客さんやから、お客さんに自分たちが見せたいものを見せようや」って言っててなるほどなって思った。それからずっと心に刻んでる。どの公演をやる上でもお客さんのために頑張ろうって思いながらやってる。
――自由劇場に入った理由を聞かせてください。
上野
「神戸大学 演劇」 って調べたら一番上に出てきたからです。元々演劇に興味があって。高校の時は吹奏楽部で指揮者とかやってたんやけど、文化祭の時部で演劇やったりして、そこでずっと主役やらせてもらってて。んで何なら俺吹奏楽よりこっちの方が楽しいんちゃうかなってなってきて。だから神戸大に受かって調べてみたわけですよ。んで見つけた瞬間「これにしよ」って決めた。
淺津
そういえばうえんつ高校の教師受かったけどどこの顧問やりたいとかあるん?
上野
俺は非常勤やから顧問とかはあんまりしないんやけど、やるとしたらやっぱり吹奏楽か演劇かな。まあ挑戦ではあったんやけど、途中でやめることなく4年間おれて良かったね(笑)
淺津
俺はいろんな新歓に行ったんだけど、なんかちゃうなってなってて。そんな時に同じ学部のたらちゃん(卒業生/三ツ矢たらお)に誘われて。
青井
そうそう。だから最初はイクラちゃんて言われててん。
直本
うわー!!!
高谷
ええー!!!
淺津
最初たらちゃんが「たらお」って言われてたから、「じゃあ君イクラちゃんね」って。それだけはやめてくださいって二回の体験会の間中言い続けてやっと「いぶ」に落ち着いた(笑)
高谷
わたしは新歓でゆめゆめ(2015年度新歓公演『ゆめゆめこのじ』) を観て。
淺津
お!!!
上野
こいつが呼んだんや、こいつが。(※淺津さんが制作チーフを務めた公演)
淺津
いえーーい。淺津チルドレン。
上野
誰が一番かっこよかった?
高谷
私は水狼花と桂さん。
青井
衣装作ったー。衣装作ったー!
直本
え、あれ衣装作ってたんですか?
青井
ゆめゆめは全部作った。遊女の着物とかないもん。
淺津
でもちーこ(卒業生/カンナミ)のチラシの着物の絵が綺麗すぎてこんなのできないって衣装の人が悩んでた。
高谷
そう、あのチラシが綺麗すぎてなんやこれすげー!って観に行って、かっこよすぎて、その後のご飯会で一緒になったのがセキネさん(西郷隆盛役 セキネ)とつっきーさん(桂小五郎役 自由劇場OB 2012年度生)で、なんやこの人らおもれー!って入りました。
青井
俺は最初高橋さん(自由劇場OB 2011年度生)っていう先輩に新歓のバーベキューで誘われてん。趣味が合って、話してたらお前入んなくてもいいから劇観に来いよって言われて。それで行ったらめちゃめちゃかっこよかってん。スターゲイザーっていう劇やってんけど。
高谷
あー!
上野
あれはかっこよかった。
青井
そのちょっと前に『TEAM NACSのLOOSER』っていう新撰組のめっちゃかっこいい芝居観てて。その後ジゲキ観て、大学生でもこんだけできるんやって感動して、入った。俺二回観に行ったから。
淺津
俺ジゲキ入る前に別の新歓で赤井に会ってたよ。身長か身長やから完全に同い年やと思ってて、ジゲキに来て「え!先輩ですか!」ってなった。
直本
私大学で演劇部に入りたくて。高校の先生に聞いたら神大の演劇部いいよって言われて。
一同
おおー!
直本
佐々木蔵之介出てるからみたいなん言われて。
一同
ああー
直本
調べたんですよネットで。そしたらジゲキが一番に出て来たから勝手にジゲキから佐々木蔵之介出たんやと思って。
一同
ああー!
淺津
それやりがちなやつ!
上野
はちの巣座さんの方がプロ出てるからなあ。
直本
それで新歓公演の室温観て、うわあすご!ってなって。
青井
そうか室温か!
淺津
俺ら室温やってる時これ観て入ってくる一回生大丈夫かなって思ってたもんな笑
直本
その後ご飯会行こって外で待ってたら、ぼっちの私に赤井さんが優しく喋りかけてくれて。とちょしさん(老人役/とちょしのぶ)と店まで行ったんですけど、そこでも優しくしていただいて。ご飯会でもうえんつさんが前に座ってたんですけど、これまた優しくしてくれて、ああみんないい人やなあって。
青井
そん時だけやで(笑)
上野
じっきーあれやんな、二回来てたやんな確か?
直本
一回しか来てないですよ。
一同
うわー!!
直本
もう今のでうえんつさん嫌いになりました。
淺津
次はじっきーが新歓する番やもんな。
直本
迷える子羊達をちゃんと捕まえて来ます。
淺津
たったの一年で立場が変わるって考えたら早いって思わん?
直本
まだ変わってないんで実感が湧かないです(笑)でも今幸せで。リーグの時に囲まれてた4回生に最後もまた囲まれてるっていう、これがすごく嬉しくて。
青井
そう言ってもらえてうれしいぜ!なあ!
直本
……お兄ちゃん!
上野
俺ご飯会の時のじっきーはまじで忘れられへんねん。
直本
忘れてたじゃないですか!二回とか言ってたじゃないですか!
――今までの人生で一番ハードボイルドだった出来事は?
青井
すごい質問してくんな!なんやろ、元カノとイチャイチャしてる時に、向こうのおとう…
上野
あーあーあー。
直本
私ありますよ。お母さんが運転してた車が飛んだんですよ。
一同
え!?
淺津
崖に落ちたみたいな?!
直本
いや、ちょっとジャンプしたんですよ。ヒュー(飛ぶ音)、ボン(着地音)って。
淺津
それはちょっとびっくりした話じゃない?(笑)
青井
ちなみにお母さんは冷静やったん?
直本
いや、皆びっくりしてました。
上野
どこもハードボイルドじゃない(笑)
淺津
ここで一人煙草ふかして、あー飛んだわみたいな感じやったらハードボイルドやけど(笑)
上野
俺、中学校の時にやばい奴がおって、そいつからちょっといじめじゃないんやけどいろいろやられてて。そん時の先生に「上野、男は強くならなあかんで。」って言われて。「将来恋人とかお母さんとか守らなあかんねん、分かってるんか」ってやられた俺に言ってきて。
一同
へー。
上野
普通俺の味方になってくれるとこをそう言ってくれたってのはすごい残ってる。
一同
おおー。
上野
これは果たしてハードボイルドなんかな。
高谷
私、「こどもの一生」(2015年度 6月公演)の時のセキネさんめっちゃハードボイルドだなって思いました。 怪我して、左眉から血をダーッて流してたやつ。
一同
あー。
淺津
それはハードボイルド。
青井
俺目の前であれ見たもん。事故ったの。あいつも俺も原チャだったから。
高谷
え、そうなんですか?
青井
赤井 グーンつってグリっつってバーンってこけてた。
一同
いや、分かりづらい(笑)
高谷
でもそれ下手したら失明してましたよね?
青井
そう。だからめっちゃ怖かった。
高谷
私もそういうのでハードボイルドだったってのでもいいですか?めっちゃ子どもの時ですけど…。
淺津
何?
高谷
なんか顎と唇と間の皮膚が手術で切らなきゃいけないところがあったんですけど、遊んでたときに顔面強打してその部分をスパーって切って、手術せずに済んだんですよ!(笑)
一同
笑
淺津
ハードボイルドやなー。
直本
私もそこ切れてます。
青井
え!?
直本
子供の頃に。だからずっとこのせいで滑舌悪いんやと思ってて…。
淺津
いや、それは言い訳やわ(笑)
上野
滑舌は治るから!
淺津
そんなこといったら赤井は何回口の中を切ってんのって話になるよ。
一同
笑
――滑舌が悪い人って、ジゲキだとネタにするか治すために頑張るかのどっちかですよね?
青井
その質問を俺に向けるな!
上野
でもそやんな。赤井実際どうなん?
青井
その質問を俺に向けるな! でもさ、日常会話的にはほら、今聞こえてるやん!ほら!録音うまくいってるや〜ん。なんか多分自信ないときだめやねん。特に自信ないときはウェーイっつって誤魔化しちゃうから。自信あるときは結構…ほら今とか、自信あるからさ(笑)
上野
俺、保育園の頃に屋根の上に登って足火傷して。
淺津
えー!それ単純にやってしまった話じゃない?
上野
体育教室に通ってたんやけど、その先生から「あそこにあるボール取ってきて」って言われたんよ。言われたから取りに行くやんか。取りに行ったけど、屋根の上がめっちゃ暑かって。それでも「取りに行って」って言われたから取りに行かなあかんと思っとって。子供やったから。でも頑張って取りに行って……だけの話やな。
青井
だけの話かーい!うえんつー!オチないなー!!
上野
ごめんごめん!
高谷
なるほどなー!
淺津
割と有名な話だけどさ、俺が二回生のときの秋冬公演で美術突コンが「りんぐ」(新在家駅近くの居酒屋)であって。それで、俺が原チャで向かってたときに車にはねられて。意識を失ったんやけど、
高谷
意識を失った!?
淺津
そう、なんか「あ、ぶつかる!」って思った次の瞬間にはもう地面に横たわってる状態で目が覚めて。
一同
うわー。
淺津
まず驚いたのが、よくVTRとかでさ、事故った後の映像って、靴が道路に転がってて、赤いランプがふわふわ回ってるのとかが使われるやん。で、リアルに俺も靴脱げてて。「あ、事故って本当にこんなふうに靴脱げるんや」ってやけに冷静に分析してしまって。で、俺まず「これ救急車呼んだらお金かかる!」ってなって。
直本
救急車でお金はかからないですよ。
淺津
でも必然的に病院に行ってお金がかかるやん。「あ、やめよう。しかも俺突コンいかなあかんし!」って。病院行く時間ない!ってなって。で、ぶつかってきた人がすごい謝ってくるんやけど、「あ、いいっす!この後用事あるんで!」って感じで、とりあえずその場は去って。で、めっちゃアドレナリン全開だったおかげで痛くはなかったから、めっちゃ笑顔で突コン行って「すいません、事故ってしまいました」って。ラインでも俺真っ先にまず携帯取り出して「すいません、事故ったんで遅れます」って。
上野
そう!あのときの空気やばかったから、りんぐの!
淺津
りんぐのとき皆さ、ちょっとこけたんかな?程度にしか思ってなかったらしくて。でも腕二個所折ってた。
上野
折れてるのにりんぐきて、「ほんまに落ち着けなかったんで誰かと喋りたいと思って来ました」って。「いややめろやめろ!俺らどうしたらいいねん!」って感じやったもん。いや、懐かしい。
淺津
で、りんぐでしゃべってるうちにどんどん痛みが増してきて。「あれ?これ痛いんじゃない?」って。
上野
バカだ(笑)ほんまに頭おかしい。
淺津
そのあと病院行って、「あ、足折ってたんや!」てなって。「あー、足いてー」って思って一週間ぐらい過ごしてたら、「肩も痛くない?」って思って。で、一週間後に病院行ったら「肩も折れてますね」って。
高谷
え、肩ってめっちゃ痛いやつですよね。
淺津
そう、鎖骨折ってたんよ。けど、俺ずっと打ち身程度にしか思ってなかったから、一週間「なんか肩痛いなー」と思いながら過ごしてて。
上野
いやー、なんか、バカは風邪引かんと同じ原理やろうなこれ。
淺津
これ、ハードボイルドっていうかロックな話なんかな。
上野
ハードボイルドなんかもしれん。殴られて、「ふっ、痒かったぜ」っていうのと同じや。
高谷
あ〜、ハードボイルド!
一同
確かに!
――青井さんのハードボイルドな話はなんですか?
青井
事故ったことはあんねん。高専の卒検発表の前日に学校行こうと車乗ってたら、目の前からスリップしてきた車がきて、どっかーんってぶつかって。そのときは冷静なんや。卒検発表の前日やけど遅れるなーって。別に体もそんな痛くなかったんやけど、若干肩痛いなって。で、病院行ったら「レントゲン撮ります」って言われて。レントゲン撮ったら、お医者さんが「あなたのレントゲン写真はこれです。そして普通の男の人のレントゲン写真はこちらです」って見せてきて。なんか俺悪いことあったんかな!?って思ってたら、「普通の男の人は背骨の数が五つなのに赤井さんの場合七あります」って言われて。なんだそれ!って。
淺津
赤井だけ類人猿から進化してないんじゃない?
赤井
いや、だからそれはやばいんかな!?って思ってたら、お医者さんに、「赤井さんは……なで肩ですね」って言われて。
一同
笑
青井
関係ないやん!!って。医学的になで肩って証明されただけっていう(笑)
上野
それはおもろい。
青井
キレイなオチやろこれ!
淺津
ハードボイルドではなかったな(笑)単純に面白い話。
淺津
あ!あった!ハードボイルドな話!
上野
オッケー、頼んだ。いってまえ。
淺津
俺高一のときに右足の手術したんやけど、それが5時間ぐらいの手術で。普通やったら薬打って眠らせるやつなんやけど、俺は手術の様子を知りたかったから「右足だけの局部麻酔にしてください」っていって、上半身ずっと起きてて。だいたい麻酔の効果持続時間が5時間ぐらいやから、だんだんちょっとずつ感覚が戻ってくるやん。
一同
うわー!
淺津
後半骨削る系のやつやったから、かなり振動が体にくるんよ。で、ちょっと痛みも感じ始めてて。「あ!痛い!」ってなってたけどずっと我慢してて、終わった後に俺涙流してたらしくて。「ごめん、泣いた?」って聞かれて、俺なんか知らないけどそのとき「汗です」って答えたらしい。
一同
笑
上野
ハードボイルド!それはハードボイルドやわ。
淺津
でも麻酔中、自分の手術してる動画をモニターで見せてもらえるんよ。
青井
うわ、きっつ。
高谷
いやや。
淺津
や、普通に興味があって。体の中どうなるんやろうと思ってたら、ほんまに鳥のささみみたいな感じやって。
上野
やめようやめようやめよう。
赤井
食事中!
上野
いぶってマジで頭おかしいと思うわ。
青井
めっちゃ思うそれは。
淺津
でも見てみたくない?手術してる時。
上野
絶対ないわ。絶対ない。
直本
人の話でもいいですか?友達が、車にひかれたんですけど、バンってぶつかって飛ぶじゃないですか。その勢いで、そのままバク宙して、着地したっていう。骨折した腕でプルプル定規抑えながら算数受けて帰ったって。これはハードボイルドですか?
一同
それはハードボイルド(笑)
上野
すごいな、みんな。いい感じにハードボイルドな経験してるんや。
淺津
子供の強がりがいい感じにマッチしたらそうなるよな。
――今公演で、苦労していることは何ですか?
上野
俺はもう、一つ絶対言えるのがあるねん。今まで全部叫んどったらオッケーみたいな発散系の役しかやったことがなくて。全部感情をわーって曝け出して、気が狂うみたいな役はすごい得意で。今回みたいな、自分の中では感情はマックスで、ガーって怒る時も、楽しい時も、あくまでそれを表に出さないような役を初めてやるので。そこですごい苦労してますね。なにか深みを出すまで、まだ時間はかかるかなって感じです。まあでも「自分かっこいい」って自信を持ってやってるんで。そういう自信を持ってやらないとだめなんで、潰されちゃうんで。とにかく今は、かっこいいノーランを目指して頑張ってます。
淺津
俺は…せやなあ、インディアンぽさって何やろうってずっと考えてる。インディアンについて調べたりしてて。あとインディアンの音楽を結構聴いたりして。けど、結局インディアンの雑学ばっか増えちゃって(笑)。まあ台詞が圧倒的にインディアンじゃないからね。台詞以外のところでインディアンを出していこうかな。
高谷
私は「バカ」です。一人喋りが多い。空気読めない奴なんです。いきなり「うおらあーーー!」って。
淺津
この芝居そんな奴ばっかやから。
高谷
えっとね、身体の動きと、テンションの上げ方。もともと身体の動き苦手なんで、動かなきゃって思うと他のところが疎かになったり、不自然なことになったり。テンションの上げ方も結構「わざとらしい」って言われちゃうんで。この役はナチュラルなテンションの上げ方とか、身体の動きが大事になるんで。それが難しい。「動こう、動こう」って意識しすぎると「動きが先行して気持ちが追い付いてない」って…。
上野
やっくる、いつもベランダでめっちゃ頑張ってるよな。
高谷
うえんつさん!
上野
助けてあげようと思ったけど、「俺も、あ、わからん、ごめん!」って今日ずっとやってた。
上野
俺、すごい今公演ニックとマック(赤井と淺津)が羨ましくてさ。
淺津
え、なんで?
上野
あれだけテンション「うわあああっ」てやって発散できるんやったらさ、いくらでもできるなあーって思っちゃうんよな(笑)楽しそうやなーって。べつに嫌な意味じゃないんやけど、俺の役って制約がすごい多くて。それをいかに振り切って、愛されるかってのを考えると。
淺津
せやなあ~、魅力だすって難しいよね。愛されるって。
一同
難しい
高谷
あ、あたし今回それに関しては頑張ろうと思って。今回頑張ったら愛されると思うんすよ。いい役ゲットしたから頑張らなきゃ。去年の卒演はなんか、ツンとした役やったんで。そのイメージを払拭したい。
上野
嫌な奴の権化みたいな感じやったもんな?
高谷
嫌な奴の権化が素の私ってやばないすか?あたしそんなイメージですか?
上野
俺別に素の私って言ってないし。
高谷
…いぶさん。
淺津
すごい、尾ひれをつけまくって俺に回された(笑)。
直本
苦労してること…。なんか、感情が乗らないんですよ、声に。んで、○○してる風じゃなくて、ほんとに○○してるように見えるように、頑張らなきゃなーって。演じるクワニャウマが、どう感じて、どう考えてるのかを理解するのが大変です。今はクワニャウマがこう思って、こう考えてるからこの台詞が出る、っていうのを逆算しています。
青井
苦労話か…。あーでも、俺真面目すぎるんやなー。劇とか、自分の役に対して。たぶん完璧主義みたいなところもあるんやろうな。だからあんまり周囲に嫌なところとか見せたくない、みたいなのもあって。で、うまくいかんかったら、やっぱ凹むし。それを中々人に相談できん。けど、自分のそういう部分が最近わかってきたから、人に意見聞くべきやなー、とか、思う。
高谷
あんまり疲れてる赤井さんって見ないですよね。
青井
あーでも、意識してるそれは。なんか、悔しいというか。誰かの凹んでる姿とか見てもみんなは別に楽しくないだろうなーと思うから。だからこそ、気は張ってるけど、それだけじゃ結局自分の中の引き出しからしか出て来んわけやから、やっぱり人を頼るのって大事かなーって。そのへんの按配が難しい。人ってやっぱ、一人で生きてないんやな(笑)
――最後に、卒業生の方々から一言、今後の自由劇場にメッセージをお願いします。
淺津
語れるようなことないよ。
上野
ないよー、ほんまにないよ。
高谷
感動する準備できてますよ。
青井
…あ!ジゲキの新歓のパンフレットにいつも書いてあるんやけどさ、「楽しめよ、全力でな!」って。めっちゃこの言葉好きでさ。後輩も、その気持ちをもって取り組んでほしい。何でも楽しんでほしいし。もちろんみんなジゲキが好きで入ったわけやからさ。お客さんに観せるために、自分たちが全力で楽しんでほしい。
上野
ええこと言うわ。
高谷
わーめっちゃいいこと言った!
淺津
ハードルが上がるう!
上野
せやなあ。…なんか、最近思うのが、ジゲキでしか得られないものがある、っていうのはすごいわかるんやけど、どのサークルとか部活に入っても、そこでしか得られないものって、あると思うのね。結局だから、ジゲキで得られるものってあまり周りから見たら特別じゃないものなんじゃないかな、って最近思ったので。だからさっき赤井も言うたけど、ジゲキにいる間は、とにかく楽しむことが仕事ってことなんじゃないかなと。何かを得たい!と思って自由劇場にいるってのはすごい立派なことなんやけど、それって実際客観的に見たらすごい陳腐なもんやと思うから。結局、ね、大学生活を楽しむという上で「自由劇場」はあるんじゃないかな、という風に最近思います。だから、いろいろしんどいことあると思うけど、前提として、自分らが楽しむことを考えてほしいかな。
青井
ジゲキのいいとこってさ、いい意味で自分をさらけ出せる場ではあるかなって思って。それでこそぶつかり合うことはあるけど、それをダメとはしない団体だとは思うから。それで自分も見えてくるし、人とのやり取りも見えてくる。まあ楽しめよ。
上野
変に考えすぎずに、自分らを活かすためにはどうしたらいいかを考えることが、楽しむことになるのかな、と最近よく思うんですよね。変な力入れずに頑張って!
淺津
4回生になってめっちゃ思うようになったのは、後輩かわいいなって。
青井
それ思う!それ思う!
淺津
ほんまに、何やろう、後輩に対して「かわいいな」っていうのもあるし、「ありがとう」って思うことが増えて、4回生になってから。ジゲキって、ひと公演につき基本1カ月くらい活動するやん、で、「この公演参加しなけりゃよかったー」とか「ジゲキやめよう」とか思うことも、よくあると思うんやけど。たとえそうなっても、それまでのことをなかったことにして欲しくなくて。どんだけキツイ公演でも、あとから思い返して「ありがとう」って思えるように、残りのジゲキ生活を過ごしてほしいなーって。俺は今ほんとにありがとうって気持ちでいっぱいです。いままでありがとう。
――ありがとうございました。
淺津
よし!セレモニーで言うことを新たに考えよう!
一同
(笑)